過剰一般化のバイアス (少数の法則)

Written by KFS on . Posted in リサーチと行動経済学

「最近の若い人は・・」、「おばさんってやっぱり・・・」

目次

過剰一般化のバイアスとは

実際には限られたサンプルであるのに、世の中全体を現しているように一般化して、事実誤認を引き起こす現象。
「街角10人に聞きました」、で10人中6人が話したことをまるで世の中全体の話のように大げさに取り上げるバラエティ番組や、東ス○や、週刊○○のように、電車で開くのがちょっとためらわれる新聞、雑誌に使われる手法(これも私個人の過剰一般化のバイアスの例?)。

一番、身近な例では、自分の周りの人の数人を見て、

「最近の若い人は・・」や、「おばさんってやっぱり・・・」など、

まるでそれが世間一般を表しているように考える現象です。

私の周りでも、居酒屋トーク・女子会トークなどで、

雨の日の東京駅の○○○ブックセンターの2Fは、イケメン遭遇率が高い。B1は、ダメ」とか、

「銀座6丁目の喫茶店の○○堂は、夕方6時くらいに行くと美人遭遇率が高い。」とか、

「プロレス会場で、最前列で見ている男の人は、ゲイ比率が高い」とか、

ほとんど「それ、絶対ウソ。信頼性なし。」という話で盛り上がります。

実際に、全部調べたわけではなく、たまたま、偶然の目撃情報と妄想に基づいた、まさに「過剰一般化バイアス」の典型例なのですが・・。

ここで、「銀座6丁目の○○堂で、夕方6時くらいに行くと美人遭遇率が高い理由」について、

「あのあたりは、銀座のクラブ街から近いから、銀座のお姉さま方にとって便利。
時間帯も、美容室に行って、同伴待ち合わせだったら、最適なのは夕方6時前後だよ。きっと、お店には9時くらいには入らなきゃいけないしさ・・・!
あそこは、1階にある店だから、電波も届きやすので、営業メールも便利だよ、きっと。
同伴待ち合わせでもさ、あの店の場所って、ブランドストリートが近いし、“おねだり”にもちょうどいい立地だよね~。
逆に言うと、“おねだり”が許されるお姉さんが多いからきれいな人が多いんじゃないかな!」

とか、自分の主張を支持するような推論(妄想?)を語りだすのは、「確証バイアス(Confirmation Bias)」といいますが、それはまた別の機会に。

まあ、このように、居酒屋トークとして、内輪で過剰一般化バイアスで盛り上がるのは「あり」だと思うのですが、リサーチを行う際は、「過剰一般化のバイアス」は、気をつけなければならないポイントです。

マーケティングリサーチと過剰一般化のバイアスの関係

ネットリサーチなどの定量調査を行う際には、総サンプル数を○○○名、調査によっては属性ごとに割付を行う場合もありますが、データを分析している途中で、面白いクロス集計で、面白い結果が出たとしても、サンプル数が少ないと、データとしては使えません。
後からデータ検定をやるまでもなく、誤差の範囲内、信憑性の低い結果をもとに、何かを判断することほど、危険なことはないからです。

調査を行う前に、分析のイメージ、集計軸のプランなどもあらかじめ想定しておかないと、「使えないデータ」を生むことになってしまうため、サンプルサイズの設定は調査を行う際に、考えておくべきポイントです。

同様に、グループインタビューやデプスインタビューなどの対面式の定性調査は、そもそも、話を聴く人数が数名~数十名に限られた調査です。

その数人の意見をもとに、「○○って、結局、こういうことなんだよな・・」とわかったつもりになっても、たまたま「インタビューした鈴木さん」の意見で、すべてを判断することなど無理な話。

グループインタビューや、デプスインタビューなどの定性調査を行う際は、定量調査で、属性のタイプを絞り込んだ上で、対象グループを決定する、定性調査を実施した後に、得られた内容が実際の「知りたい層」を代表しているか、定量調査を行って内容を検証するなど、定量調査と定性調査を組み合わせて考えることが必要でしょう。

定量調査も、定性調査も、それって、「居酒屋トークと同じレベル?」にならないために気をつけなければいけない点、それが「過剰一般化のバイアス」です。

まとめ:リサーチにおける過剰一般化のバイアスとその注意点とは?

マーケティングリサーチにおける過剰一般化のバイアスとは

  • 、実際には限られたサンプルであるのに、世の中全体を現しているように一般化して語ること
  • 「気づきを得る」ために行う調査と、「事実を調べる」ために行う調査とは役割が異なります。
  • FACT(事実)を示すことが求められている調査では、それを断言するだけのデータとしての裏付けがあるか、ないか、「=過剰一般化のバイアスにとらわれていないか」という視点が必要です。

後になって、「このデータ使えないじゃん–!」「残念ながら、このデータからこの結論はムリ、これを”事実”として言い切るのは強引」とならないためにも、調査設計の際に、調査の目的、調査の分析のイメージからのサンプルサイズの落とし込みまで、きちんと考えておきたいポイントです。

関連情報

*定量調査におけるサンプルサイズの設定方法について詳しく知りたい方はこちら
→【サンプルサイズの考え方とロジカルシンキング】


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KFS

マーケティングリサーチ・調査ソリューションの専門会社、株式会社KFS(ケイ・エフ・エス)。 創造性は顧客を深く知ることから始まる。 インサイト理解のためのインタビュー調査、定量調査と定性調査を組み合わせた統合型ハイブリット調査まで。コンセプト創出~受容度検証、価値創造ソリューション